最近想うこと。
以前に新建材のことを書かせていただきました。
私達はこれまで、施工が簡単で安価な新建材を安易に使ってきました。
現在でも新建材を使っている住宅会社が非常に多いです。
高度成長期を境に、省施工で管理もしやすく、一見低価格に思える材料や工法が選ばれてきました。
その一端を担ってきたのが新建材で、正直なところ私もお世話になってきた経緯があります。
現在、住宅寿命が26年と言われているのはそこにも原因があるのだと思うのです。
もちろん、建築基準法の改正などから現在の基準の耐震性に適合しないということも大きい原因とは思うのですが、私達が安易に選んできた材料が経年変化によりうす汚れてきて、住まう人が「何となく汚いし、イヤだ!!」と想ってしまうことも原因のひとつだと感じています。
新建材と本物の違いはここにあります!
無垢材は経年変化とともに何とも言えない味がでてきます。(長く愛着を持って住まうことができる)
新建材は経年変化で朽ちて汚れていくだけです!(30年後どう感じるでしょうか?)
後から気が付いて、建替えしたりリフォームすると尚さら費用が掛ってしまいます。
現在が高度成長期に建てられた住宅の建替えサイクルになっていると想うんですが、また住宅業界は同じ過ちをおかしてしまっています。
新建材を主導しているのは私達業者なんです。
住まい手は本当のことを知らずに、材料を選んでいます。(他に選択肢がない場合が多い)
住宅はもう大量生産で「売る」時代ではありません。
「住宅」は「住まい」へ、「売る」から「造る」へと当然ながら変わっています。
「これではだめだー!!」と感じ、今一度原点に立ち戻り、お客様へ想いを伝えてきたわけなんです。
正直、葛藤もたくさんありました。
他社と競合したときに、(新建材を使った)他社の方が安いから...。とお断りを受けたこともありました。
同業者からの指摘で、この想いが私のエゴではないか?と悩んで、悩んで仕事がとれない時期もありました。
今までは言葉足らずで、お客様に伝わりきらなかったこともあると想うのですが...
最近は少しずつお客様に伝わるようになってきました。
というか、お客様から求められるケースもあります。
「無垢材でできますか...?」と。
非常に嬉しい反面、残念な事でもあります。
住まい手が無垢材を求めているのに、造り手(業者)が新建材を使いたがる事もあるそうなのです。
「無垢は動くし、傷が付きやすいからだめだ!」とか
「無垢にしたら高くつきますよ!」などと言うのだそうです。
私は本当に想うんです!
今のお客様は、皆さん勉強していらっしゃいます。
お客様の求めているものよりも、実際に住宅業界が造り出しているものとのギャップが生じてきています。
無垢材は高級品とは考えていません。
「生涯住まう」ということから言えば必然であると考えています。
日々悩んでいる最中ですが、一生懸命お伝えしていきたいです!
長岡和
新建材の窓枠
裏面:合板基材に化粧シートが巻かれています。
断面の写真(左が無垢材、右は新建材)
当たり前ですが、無垢材はどこまでいっても無垢材です。
新建材は化粧シートをまくるとベニヤです。
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