築36年経った住まいを耐震改修しました。
上部構造(木造部分)の総合評点 0.23 から 1.10まで補強することができました。
玄関
玄関土間は南部石の豆砂利洗い出し。
リビング
床はカバ桜の無垢フローリング リボス塗装。
キッチン
キッチン壁にはタイルを貼りました。
タイル貼は割付けや施工手間などひと手間掛りますがキッチンパネルにはない
質感を出すことができます。
こちらのキッチンもタイルの割付けはしっかりしましたので、切り物はほとんどありません。
タイル貼はすごくお手入れが大変なイメージがあるかもしれませんが、
キッチン専用の油汚れの付きにくい目地材を使用してます。
トイレ
腰壁は桧の本来床材に使用する材料を貼りました。
見にくいですが、手洗器裏のカウンターには無垢の一枚板を使っています。
玄関の式台の端材でこしらえました。
リビングのドア
杉のスリット入り框戸
建具屋さんがデザインを下さいました。
建具屋さんとは「あーしよう、こーしよう」と言いながらいい関係でお仕事をさせていただいてます。
私がすごく、信頼をよせている職人さんの一人です。
ここで、少し耐震工事のお話。(少しと言いながら長文です。すいません。)
ここでいう総合評点とは耐震診断をしたうえで
住まいの現状の 保有耐力/必要耐力(大地震時) で計算します。
上部構造評点 1.5以上 判定:倒壊しない
1.0~1.5未満 判定:一応倒壊しない
0.7~1.0未満 判定:倒壊する可能性がある
0.7未満 判定:倒壊する可能性が高い
といった具合で判定がなされます。
「どうせやるなら、何故評点1.5以上までしなかったの?」と言われそうですが、ちょっと聞いて下さい。
(上部構造の)耐震改修工事のポイントとしては、
①耐力壁を増やす。 筋交や面材などで補強。
②耐力壁の配置をバランス良くする。 建物の重さと剛さの中心を合わせる。
③柱や土台、梁といった構造材にかかる引抜きの力に耐え得る補強金物を取付。
大きく分けて3つです。
※現在建っている住まいを補強する上で、②・③は非常に難しい場合があります。
※新築であれば、簡単である作業が、耐震工事であると非常に難しい事があります。
※技術的に可能であっても、費用が非常に掛かることがあります。
これらを検討しながら計画を進めていきます。
すると、耐震改修は結構難しいことがわかってきます。
今回の耐震改修では、できる限りのことをして総合評点1.10まで補強することができた。
ということなのかもしれません。
また、基礎、地盤などは別に検討する必要がありますので、
掛かる費用を計算した上で、建替え新築をご提案させていただくこともあるかと思います。
住まいのリフォームのご相談で「リビングを広くしたいんだけど...」ということがありますが、
その時には、耐震性の検討も必要になってきます。
大きくするのは簡単な場合でも、リフォーム後に耐震性が小さくなってしまった、ということも十分に考えられます。
ということがない様に...。
耐震性の検討は専門的知識が必要です。
信頼のおける設計者や、施工業者にご相談いただくのが賢明だと思います。
長岡和
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